ウクライナ出身、ARTENSIONという超絶テクのバンドを率いるキーボーディスト、
ヴィタリー・クープリが放つ初のソロ作品。
元々はクラシック畑の彼がメタル畑に入るきっかけとなったのが、
イングヴェイ・マルムスティーンというだけあって、
そのキーボードの速弾きはイングヴェイやSTRATOVARIUSのイェンス・ヨハンソンを彷彿させる。
6)Opus 1.(Theme by Paganini)はその典型と言える曲で、
元はヴァイオリンの独奏曲を彼のキーボードとグレッグ・ハウのギターで見事にアレンジしている。
余談だが、パガニーニは超絶技巧を誇るヴァイオリン奏者&作曲者であり、
代表作『24の奇想曲』を聴くと、現代の速弾きギタリストのルーツが分かるので、
興味ある方はぜひ聴いてみてほしい。
話を戻すが、このアルバムでの聴きどころは何と言っても、
ヴィタリの驚異的なネオクラシカル速弾きプレイなわけだが、
そのプレイに華を添えるのがグレッグのギターである。
2)High Definition、3)Symphony Vなどで見せる、
キーボードとギターのユニゾン、バトルは素晴らしいの一言に尽きる!
歌の入ってないアルバムは退屈・・・なんて先入観はこのアルバムで払拭されることだろう。
クラシックとメタルをかくも見事に融合させた作品は過去にも指折り数えるほど。
ヴィタリ・クープリという恐るべき存在に敬意を表したいと思う。